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人前であがらない方法のまとめ

学校では人前で発表したりする機会があったかも知れません。

やっとそれから解放されたかと思ったら今度は会社でのプレゼンだったり、朝礼でのスピーチ、結婚式のスピーチに友人代表のスピーチ・・・人前に出る機会は次々とやってきます・・。

多くの人は嫌だなぁと思いながらも、それなりにこなしています。だけど、あがり症の方もいらして、本当に苦しい思いをされていると思うんです。

というのも僕自身がそうだったから・・・です。大学の頃にあがり症になってしまい、人前でスピーチをすることが恐怖になりました。

きっかけは英語でスピーチをすることでした。アメリカの大学に留学し、英語ができない僕がアメリカ人学生の前で英語でスピーチをするのです。

正直にお話すると・・・笑われているような、そんな気がして、そのスピーチのクラスは地獄のような苦しみでした。

それ以降、人前で話したりする際に極度にあがるようになり、手足が震えたり、思うように話せなくなっていったんです。

そんな僕が30代になって、あがり症を克服することになります。

もう怖がったりするのは嫌だと思った僕は必死になって何故あがり症になったのか、どうやったらあがり症を克服できるのか・・・と考え続けました。

30代になった僕は友人の結婚式に友人代表でスピーチをしていました。会場は笑いに包まれて僕も笑って話しているのです・・・あの地獄にいるような思いをしていたあがり症の僕は、やっと変わることができたんです。

あがってはいけないと思ってはダメ

あがり症になると、僕も含めてそうだと思うのですが、「あがってはいけない」そう思われるようになると思うんです。

あがると汗をかいたり、手足が震えたり、声が震えたりして恥ずかしい思いをする・・・そんなことが怖くて、必死であがらないようにしようとしてしまいます・・。

だけど、「あがってはいけない」と思ってあがり症を克服した方は恐らく一人もいないと思うんです。

僕も「あがってはいけない」「緊張してはいけない」・・・人前に出る機会がある時は、そう思い続けていました。ところが、そのやり方ではあがり症は全く治りませんでした・・。

僕は緊張したり、あがることって悪いことだと思っていました。

だけど、「緊張してはいけない」「あがってはいけない」という言葉を自分にかけていたことがそもそもあがりを悪化させていたことに気づいたんです。

どういうことかと言うと、緊張することって実は意味があってやっていることだったんです。

オリンピックでは出場する選手の殆どが緊張したと言います。だけど、記録を見ると、大会新記録など、素晴らしい記録がオリンピックなどの大舞台では出ます。

それは緊張がよい方向に作用していたから・・・だと思うんです。

緊張は実は体や心が自分をそのパフォーマンスに向けて準備してくれているんだと思うんです。

だから、いい記録が出たりします。もし自宅にいるようにリラックスして、オリンピックに出場する選手がいたら、きっと記録も伸びないと思うんです。緊張しているからこそ、集中できたり、よいパフォーマンスができるわけで・・。

緊張にはもう1つ特徴があることに気づきました。

それは、緊張はなくそうとするほどに大きくなる・・・ということです。緊張しちゃいけない・・・そう思うと、つまり、緊張をなくそうとすると、どんどん緊張するようになります。

ところが、面白いことに、緊張しているなと気づいた時、それをなんとかしようとしなければ、緊張はそれ以上に大きくはなったりはしません。

それに気づいた僕は、人前に出る時に必ず緊張するのですが、あの独特の緊張感がやってきた時に、以前のように「落ち着け」とか、「緊張しちゃだめだ」・・・そう思うことを思い切ってやめてみたんです。

そして、「ああ、この感じ。体と心が準備してくれているんだ」・・・そう無理にでも思うようにすることにしました。

すると、やっぱり、その緊張はなくならないですが、それ以上は大きくならないことにも気づいたんです。

それはつまり、適度に緊張した状態で済んでいる・・・そういうことだと思うんです。

皮肉なものですが・・・「緊張してもいい」・・・そういう考え方が僕をあがり症から救ってくれたのかも・・・知れません。

他人によく思われようとしない

あがりやすい自分を隠そうとして余計あがってしまう。それは他人からよく思われたいという気持ちがあるから・・・だったのかも知れません。

人は誰でも他人から評価されたいと思っています。ですから、人前で話す時も、できればよく思われたいし、恥はかきたくないものです。

だから、僕も大学の頃にスピーチのクラスで恥はかきたくないと思っていました。ですが、その気持ちが強すぎることがあがりの原因になるようです。

例えば、家族のみんなの前でスピーチの練習をします。すると殆どの人はあがらないと思うんです。だけど、同じ位の人数でも今度は全く知らない人達の前でのスピーチだったりすると、あがってしまうことがあります。

家族の前であがらなかったのは、「よく思われたい」と思わなかったから・・・かも知れません。だから、気心が知れた人達の前であがることは少ないと思います。

でも、例えば、気心が知れた友人達とはじめてカラオケに行って、はじめて自分の歌を聴いてもらう時は緊張したり、あがってしまうことがあるかも・・・知れません。

それは、やっぱり「よく思われたい」気持ちがそうさせているのだと思います。

そう考えると、あがり症を克服するには「よく思われたい」気持ちを捨ててしまう必要があると思ったんです。

でもそれはなかなか簡単には捨てられません・・・。

じゃあ、どうやって僕がその気持ちを捨てたか・・・ということなのですが、例えば、僕は先ほどご紹介した友人代表のスピーチの時は、自分のことは一切考えず、友人に「おめでとう」というその気持ちだけを伝えよう、彼のために場を盛り上げよう・・・そういう気持ちでスピーチをしました。

つまり、僕が考えていたのは、友人のことで、自分のことは考えていなかった・・・のです。だから、不思議なことに一切あがらなかったのです。

あがらないコツがあるとしたら、それは自分のことより、自分がどう思われるかよりも、誰かのために話したり、パフォーマンスしたり・・・誰かのことを思ってみることなのだと思うんです。

あがりやすいことを告白する

スピーチやプレゼンテーションで使えるコツを1つご紹介させてください。

それは自分があがりやすいことを告白してしまうことです。
できれば、話のはじめに告白してしまうことだと思います。

自分があがっていることを隠そうとすると自分に意識が向いてしまいます。手が震えている・・・と思って余計震えたりします。でも告白してしまえば、その必要もなくなります。

隠すことがなくなると、緊張が和らいでゆきます。勿論ある程度の緊張は必要だと思うんです。それまでも排除しようとすることはないと思います。

最初に、「私は緊張しやすくて、すぐに頭の中が真っ白になってしまいますが、どうか多めにみてやってください。宜しくお願いします。」と最初にあがりやすいことを告白してしまうと、「よく見せる必要がなくなる」ので、気持ち的には楽になれると思います。

自分を許す

以前の僕がそうだったのですが、上手に話せない自分、話をうまくまとめられない自分が情けないと思っていました。それが嫌だったから、人前に出るような場面は避けるようになりました。

しかし、避ければ避けるほどに自信を失ってゆきました。

僕はやり方を間違っていたのかも・・・知れません。

最初にできない自分を許すべきだったのです。「できなくても大丈夫、誰だって失敗はあるさ」・・・そう思えたら、人前に出ることが恐怖にまで変わってしまうことはなかったかも知れません。

自分を許すこと・・・それはあがり症を克服するためにはとても大事なことだと思うんです。

「大丈夫、失敗してもいいさ。」

そう思って自分を許すこと。その思いが自分を救ってくれると、僕は思っています。

大変長くなりましたが、最後までお付き合いくださり、本当にありがとうございました。