仕事の不安を克服するには?
仕事には不安というものがつきものだったりします。
そして時々、その不安に押し潰されそうになることがあります。
特に新しい仕事を始めたばかりであったり、責任の重い仕事を任された時、昇進して部下を持った時、新規事業を担当することになった時、新しく仕事をはじめて独立した時・・・などなど、不安になることがあります。
不安は何故なくならないか?
野球のイチロー選手が王監督に向かってこんな質問をしたことがありました。
「現役時代、バッティングが簡単だと思ったことはありましたか?」
すると王監督は・・・
「一度もないよ。最初から最後までずっと不安だった。だから毎日、必死で練習したんだよ。」
そう答えたそうです。
世界の頂点に立ったような人であっても、その道を極めたような人であっても、不安はあるのだと・・・その時、そう思いました。
不安というのは、人間に備わったものなんだと思うんです。
だから不安はなくならない。
でもそれは、なくてはならないものだったりもすると思うんです。
例えば、将来に不安があるから、今お金を貯めておこうと思うことができます。もし、不安を全く感じないようになってしまったら、使うだけお金を使って後で大変なことになるかも知れません。
大学受験にしてもそうです。不安がゼロだったら、大丈夫だろう・・・と思って勉強もしません。不安を感じるからこそ受験勉強をしようと思います。
そうやって考えてゆくと、仕事の不安も実は必要なことだったりするのかも・・知れません。
不安がなくなったら・・・危ないです。不安だから、もっと良い方法を探そう、もっとお客さんを喜ばせる方法はないか・・・と試行錯誤します。
だから、不安を克服するための第一歩は、不安はあって当たり前のものだと受け入れてしまうこと、不安ゼロを目指さないこと・・・だと思うんです。
そして、それにはもう1つの理由があるんです。
不安は何とかしようと思うほどに大きくなる
不安というのは、何とかしようとするほど、打ち消そうとすればするほどに大きくなる・・・そんな特徴があるようです。
不安というのは、自分に何かしらのサインを送る役割があります。
仕事で言えば、営業成績が落ちてきた時、不安に思うことがあります。その不安は「何か対策を立てた方がいいよ・・・」というサインです。
ところが、不安を感じた時というのは、何とも言えないあの独特の感覚といいましょうか、怖さのようなものを感じます。
だから、多くの方は、その不安をどうにかしよう、無視しよう、どうやったら不安を感じないようになるか・・・と思うようになります。
しかしながら、不安はサインであり、それを自分に伝えるという役割があります。だから不安を打ち消そう、どうにかしようと否定し続けると、不安はそれが伝わらないので、どんどんとサインを送りつづけます。
それでも伝わらないと、今度はもっと強いサインを送ってくるようになります。
不安で仕方がない・・・・という方はまさにこのパターンで、そういう方にお話を聞くと「不安をどうにかしよう、不安を感じてはだめだと思っていた」とおっしゃいます。
でも、不安というのは面白いことに、受け入れると薄れてゆく・・・という特徴があります。
将来のことを不安に感じます。そして、対策を立てます。「よし、じゃあとりあえず、貯金をすることにしよう」と。すると、不安は自分の仕事が終わったので、薄れてゆきます。
不安は実は自分のために働いてくれていると思うんです。
それを無視しようとすると、何とかして打ち消そうとすると、不安はどんどん大きくなってゆきます。それはサインを受け取ってくれないから・・・だと思うんです。
だからこそ、大切なのは、不安があるのは当たり前だと思うこと、そして、それを当たり前のことと受け入れてしまうこと・・・だと思うんです。
不安はサイン。そのサインを受け取って、対策を立て、実践すること・・・それが不安を乗り越える最善の方法なのかも知れません。